湿原を取り囲む木々も一斉に葉を伸ばしはじめます。流れのほとりにはフキノトウや ミズバショウ、エゾノリュウキンカなどが鮮やかな春の花をつけ、スゲの塊であるヤチボウズの間の 雪解水のプールにはキヤサンショウウオの卵塊が紫色の輝きを放っています。

 
エンコウソウ 学名 Caltha palustris var. enkoso

一見エゾノリュウキンカ(ヤチブキ)そっくりの黄色い花で、同じくキンポウゲの仲間です。茎の立っ て咲くリュウキンカが「立金花」であるのに対し、エンコウソウは「猿候草」と書きます。茎が長く 地面を這う様を「猿の手」に見立てられたのでしょう。春になると、低層湿原の池塘や流れの際などに 咲きます。

  ミツガシワ 学名 Menyanthes trifoliata

リンドウの仲間の水性植物で、池塘や低層湿原流水部の代表的なものです。浅い水中に生え、太い花茎 をだします。初夏から夏にかけて白い花を咲かせます。名前の由来は「三つ柏」で、三枚の葉の形が、 柏の葉に似ているというところからつけたもののようです。

 
エゾオオサクラソウ 学名 Primura jesoana pubescens

湿原周辺の丘陵地や林道わきなどに咲く野草のひとつです。ピンク色の可憐な花をつける仲間ですが、 「〜サクラ(ソウ)」とつくものだけでゆうに十種類くらいはあります。それぞれの葉や花の形に違い があり、その見分け方はなかなか難しそうです。

  フクジュソウ 学名 Adonis ramosa

北海道から九州まで幅広く分布している、日本共通の「春の花」です。雪が融けるか否かの頃より、美 しい黄色い花をつけることは誰でもがよく知っています。この花は「福寿草」と書き、新年を祝う花と して正月の飾りに使われます。北海道ではマンサクという別名があります。「まず(初めに)咲く。」 という意味です。



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Last Updated: '96.9.1